アルス・コンビナトリア:結合術 (部分)/がらんどう
こいつは死んでいる。それはもう言ったことだ。その点だけは正しい、私はそう確信している。あるいは、もしかしたら、この箱の指し示す「阿蘭陀渡りの人魚」こそアルベルト・セバのもとにあったものであり、こいつのほうはそうではなかったのかもしれない。そうではないもの。私は何を言っている? では、そうではない何なのか?
鷲と海豚の中間にあるような「飛魚」も天井から吊るされていた。だが、私はその「飛魚」を見たことがない。つまり、私は想像でものを言っている。鷲と海豚の中間にあるような・・・そう、どちらも魚ではない。少なくとも、リンネ以降の知識では。それ以前であっても、鷲が魚であったという話を私は知らない。海
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