日傘/
ことこ
ならした大地に
くぼみを作る
てのひら一杯ぶんの土で
耳たぶの熱を
葬った
背骨のきしみは
いまだ
攪拌されず
甘皮の欠けた
手には負えない
こぼれていく砂粒だけを
頼りに
白い日傘を
広げて
反比例のグラフを遮る
それでも
毎朝
山の端は染まって
空と重なり
とけあうのだ
岩塩の
甘さを味わうように
深呼吸をして
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