卵を追う/カンチェルスキス
恋で埋める空き地を
日が差さないとぼくは文句を言った
音楽が流れる川のないところで
水浸しになるだろぼくは手紙を送った
物語の中にいるこれは嘘ですぼくは日記に記した
空気をつかみ離す空気をつかみ離す
椅子に座る卵がつぶれる
ふしぎな手はガラス細工
海に近い草地の向こう走り去る赤毛の馬を
ぼくは止められない止めなければいい
ぼくは違うほうへ向き直る
歩く死者の列が続き
崖の下でケチャップみたいにつぶれてた
それは家にいたときからずっと見てたんだけど
ぼくの頭は取れて
落ちる。
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