風はうたう 僕はここに居る/プル式
 
のでは無いだろうか
そう思うと足がすくみ
何処へも足を向ける事が出来ない気がする
足下を見つめながら
思考を準える
もう一度
ゆっくりと
取りこぼしの無いように

柔らかに陽の光をはね返す地面に
小さな影が停まった
ぼんやりと僕は僕に帰る
そうして帰結する

日だまりにきゅうきゅうと音がする
ペットボトルの風車は何かを巻き取る様に
風に向かいながら回り続けている
小さな影はさっと飛び去り
僕を置き去りのまま見えなくなった。
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