風はうたう 僕はここに居る/プル式
 
ペットボトルの風車がきゅうきゅうと鳴った
日だまりの静寂
文化住宅の隅にさっと過ぎる影
いつまでも続きそうな
退屈で穏やかな時間
揺らぐ平行感覚
ここが向こう
ここが空
地面から放たれ
どこかに居る僕
ここに居る僕

僕は何
ここは何処
思考に出口は無い
出口の無い思考は緩やかなカーブを描き
x軸とy軸とz軸で囲まれた現実の上で
突き当たりを探している
そこにはただ僕という殻があり
突き当たりなど無いと言うのに
いや待ってくれ
本当に突き当たりは無いのだろうか
それこそ僕の思い込みでしかなく
本当は四方が壁では無いだろうか
気が付かない僕は滑稽なので
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