夏鏡/
辻野克己
朝はすでに姿を隠し
昼もたいして用がない
時計に用はない
投げ捨てる
牛乳は飲まない
ご飯はかまない
洗濯しない
ビデオは解体する
取り出して
映画を観て
右のすきまを見て
休日は終わり
仕事のために
時計を拾う
ディンプルを飲む
23:48
蝉が夜の中
光に羽が透かされて
空の体が透かされて
ぶつかって
ぶつかって
(閑)
(殻)
(自時)
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(6)