海にうつむく/
かんな
心の内につぎたせたなら
いつかまた
誘われるままに
風を
つかみきれないで走っていても
指先がえがく
あいまいな放物線がいとしく
平坦につながる
地面の先に
またつながる
やわらかな温もりに
ただ触れていたい
あの夕陽の
ずっと向こう側へ
ありふれた嘘や
まちがいだけがあったとしても
ゆきつけない
ことはない
いつか流れて
いつしか乾いた
涙の道すじに沿って
うつむいていてもいい
歩こうか
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