灰皿/因子
 
鈍く
重い
灰皿のふちを
舐めたかった
かわいた舌で

逃がさぬよう
一心に
ただ
かわいた舌で

呼ぶことが
できなかったから
ただ
かわいた舌で

誰かでなく
私が
かわいた舌で
ただ
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