瞬き/小川 葉
 
 
石になると
夢を見ている
霧の生地になって
触れることしか出来ない
君の海が溢れ出すところ
水の世界は壊されて
生まれることを繰り返している
蛍だった頃
わたしは声を聞いていた
同じ理由で瞬きながら
わたしたちは
一部分に過ぎない
今は人の形になって
目覚める君と
新しい朝を迎えている
 
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