花畑/壺内モモ子
うれしいことがあったときも
たのしいことがあったときも
いじめられたときも
だれかが死んだときも
そこにはきれいな花が咲いている
かなしいくらいにきれいな花が
たくさん咲いている
笑ってるみたいに見えたり
ぽつんと孤独に感じたり
表情のない花は
いつだって自分の気持ちを映し出すのさ
自分のやりたいことがわからなくなって
逃げ出した22歳のぼく
迷い込んだ花畑
きれいな花に惑わされて
出られなくなってしまった
あれから何年か経ったけど
ぼくはまだここにいる
だめなぼく
ああ今日も
きれいな花が咲いている花畑
かなしいくらいにきれいな花が
たくさんたくさん咲いている
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