音楽の中のヨルノ/ヨルノテガム
 
ムを動かす
(掃除しようね。)

 彼はピアノを弾きたがっている
 彼の音楽は言葉の連なりによる世界の構築と似かよっている 
 その為ピアノに触るまでに至らない
(密やかに、ひっそりと 気づかれずに)
 音楽は鳴っている
(くり返し)
 彼は見つめている

 彼は触れている

 彼は待っている

(       )

 ヨルノテガムは人形である

 彼の笑い顔や泣き顔を見たことがない
(リンゴジュースがお腹でキュンと鳴っている)

 くり返し

 ――――――は階段を上がっている
 ヨルノテガムは階段を下っている

 彼が笑ったり 胸が凍っていたりの世界は
 何と静かでひとりなのだろう

(人はこの世界以外の世界であれば愛せるのではないだろうか)











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