桃色孵卵/
北街かな
いる
潮の沁みた霜焼けに息を吐き
おきざりの独りきり
信頼と情に満ちていたはずの
天体観測の続きを
まちがいだらけの君との影が銀河になってしろく降る
泡が散らばり
星座を模して
凍りつかぬよう、またたきをやめない
生まれもしない君との時間の結実を
胎内であたため続けているの
かかえた素肌は真冬に埋もれ
夏の日々に続いていた熱い砂に足はつかない
心からの発言ほど
きみの胸には届かないんだよ
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