詩的世界のグラスファイバー/北街かな
この世の何処かにある空間の一点を
ただそれのみを 一心に求めてみたんだ
汗ばむ喜びだとか 骨の抜けそうな落胆
崖っぷちの戦慄だとか 常なる先行きの不安
そういうもののたぶん向こうにある
感情を超えてゆく空間の点を
膨張宇宙のまんなかでぽつん、新世界を胸に
放たれた光は、誰かの見出す意味に向かい
真実をあぶりだそうと熱を照射する
僕らの想像力はいま 亜光速を突破して
あらゆる色彩を吹きとばしてゆくよ
redを沸騰蒸発させて
greenを回転収縮させて
blueを臨界突破せしめて
みえるものもみえなくなったら
みえないものがあらわれてくる
跳躍が加速する!
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