風の景色/小川 葉
 
 
死んだ後のことばかり
考えている
それでひ孫が救われるのなら
構わないけれど

変わらなければ
と心に決めて
決めているふりをしてる
自分が嫌い
昨日と違う空を見上げたら
昨日と同じ
わたしがそこにいた

死んだ後のことは
わからない
わからないけれど
わからないものばかり
追いかけている

詩を書かなくていい
人生があるならば
今を生きることしか
考えないのに

風はいつも同じところから
違うところへ吹いてゆく

真夜中
息子がぐずってる
数年前
まだ生まれてなかった
命が形になって
見えている
 
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