それぞれの入隊/北村 守通
 
みた
狙いがぶれた
後ろ足を貫通させただけだったが
面白いように転がった



戦争が始まった
誰に後ろ指差されるでもなく
事後処理に巻き込む必要も無く
死ねる機会が手に入った
正当に死ねる機会が手に入った
ただし
タイミングを間違えれば
部隊の他の人達に迷惑をかけてしまうことになる
それは決して望むものではない
例えば
ボクが撃たれることによって
相手の潜む方向性が判明したり
相手が潜んでいることをわからせてあげたりすることができれば
この上なく好ましいが
そうそう
映画のように都合のよいチャンスというものは
得られるものではないことはわかっているの
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