人間役者/琥霙ふうり
リズムを壊すように
相槌をうってみると
何故だか無性に
胸が痛んだ
そんな気がしたけれど
顔は笑ってるんだ
あいつはいつだって
誰かを殴ってる
実はその、逆
ではないかと思う
だってほら、哀しそう
甘いマスク
俗にイケメンと呼ばれ
二枚目を演じられる
ただ彼は、違った
二枚から一枚を増やし
マスクなど投げ捨て、て
三枚も四枚も演じなかった
笑いをとろうと
必死になる姿
僕は、楽しみたいなと
画面越しに笑う
その後ろで
そのまた、後ろで
誰かが誰かを笑ってる
どんな顔をして
明日を迎えればいいのだろう
明日はどんな顔の
太陽が昇ってくるのだろう
言葉で顔を表して
文字は詩を顔にし、
僕はペンをなぞる
誰かの顔を思い浮かべ
疑問符を
ひきつったように
ひくひく、させた
さぁ、
僕はどんな顔をしてるのだろうね。
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