「 きみのあたまの上の電波塔がすこしぼくに傾いた物語。 」/PULL.
雑念という名の念力できみをあたまの中からテレポート。
疲れ眠るリモコンの中のひとりぼっちの乾電池としてのぼく。
知られちゃいけないきみの生まれた星まで飛び越せるこの能力。
初恋の日ぼくはきみの母船を見たからぼくはきみの記憶を喰べた。
ふつうのふりしてきみを守りニンゲン離れしたケガをしてもひとり。
何度時空を歪めてもきみはいつもあいつに惚れるこの不条理。
きみのあたまの上の電波塔がすこしぼくに傾いた物語。
了。
戻る 編 削 Point(6)