宗教のための宗教とは(2)/生田 稔
 
典ではなかろうか。聖書については、そのもっとも顕著な特徴は預言である。予言とはある種の運命を指すものではなかろうか。つまりかくかくことが起こると前もって言われてそのようになるのはそう言える。古のペルシャの王キュロスは巨大国バビロンを陥落させ、自分はイスラエルの神エホバの権威によつて当時の世界の国々の皇帝になる旨発布したとダニエル書には記録されている。
 イスラエルが神の言葉聖書を伝える機関として神に選ばれていたことは聖書の成立事情からして否めないことである。アブラハム・モーセそしてイエスに至る聖書の伝統はイエス・キリストの到来以来、全世界に知らされてきた事はじじつである。
 近い将来クリスチャ
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