冷たい戦争/遊佐
に逢いたい、と。
*
また、
新たな悲劇が何処かの国で生まれても、この国じゃ誰もそれを熱くは語らない
冷めたスープを飲まされた時のように、感謝の心を忘れ、
平和を粗末に扱い、他人の悪口ばかりを並べたて、
だからスープは熱くなきゃいけないんだなんて知ったかぶりをする奴等で溢れてる
満たされない空腹を抱える人々の想いも知らずに死体の数だけ読み上げて、責任をなすり合い素知らぬ顔でのうのうと札束抱える何処かの国の首謀者達を嘲笑いながら
(見上げる空の色が同じであれば、同じ風景が広がるというのだろうか…)
*
渋滞の抜け道探し、青空見上げて溜め息を吐く
辿り着けない苛立ちと手を伸ばしても届かない空の高さに、
声すらも届かない遠すぎる悲劇の重さに、
遣り切れない苛立ちを感じながら
僕は…
青空の下、
渋滞の中。
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