「だらん」/パール子供
 
コウモリになれない夜はお腹を空にして死んだ夜をじーっと見つめるんだ。      
ただ、だらんと。

街灯にぶら下がり13の春から成長の見えない思考力で小さくひっそりと
僕が生まれる前の唄歌う
       
膨らんでいく丸い月とあの子の笑顔はぽつり、街をいっそう淋しく見せるよ。
ただ、がらんと、       
      
「あぁ、空しいや、それでも僕はリアルにあの子を息してるんだ。
どうしようもないや、僕はコウモリ。
ただ、一人放物線を描いてるだけ。」

  ゆらゆら、             
ゆらゆら、
  と輪の中思い描いてるだけ。            
「あぁ、悲しいや、それでも僕は律儀に未来を息してるんだ。
どうしようもないや、僕はコウモリ。
ただ、一人放物線を描いてるだけ。」

「僕を愛しておくれよ」


コウモリになれない夜はお腹を空にして死んだ夜をじーっと見つめるんだ。
       
街灯の下、ただだらんと
       
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