千鳥格子/jin
 
された不始末、
餃子の裏側全部黒コゲの惨事等々思い起こし
何も食わぬとヘソを曲げあぐらをかいて空気吸う
胃のねじれのように暗い部屋までねじれて見える

重い腰上げ夢遊のようにふらついて
流し台の手元灯に辿りつく
豚の形の計量カップや菜の花模様の鍋つかみ、
冷蔵庫のこそげ落ちたハム太郎のシール等々
間の抜けた物ばかりが溢れる有様にため息漏らし
千鳥格子のエプロンに残香探して夜が更ける
ああ、曇り窓、街の灯りの一つかな。
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