花、荒野をこえて。/草野春心
 
千世界は蛇口から、
  此の唇へ。



  (嗚呼、歌だ。)



  愛。
  求める者は何処へ行き、
  堪え、何処で息絶える。
  其の道程が僕を誘う。
  其の道程が歴史を呼吸する。
  命の灯、さながら一輪の花。
  燦、燦……



  (愛。君は一輪の花だ。)



  (生きな。)



 ホラ、
 白い夜は荒野だ。
 円い定め、
 其の先へ行け。
 愛の残滓、
 さながら花。
 求めれば
 僕はまた、
 僕と出逢う。




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