蛹/琥霙ふうり
私の背中に、少しずつ
一筋の陽が射して
橙に孵り、いつか
ひら り、
私は わたし
を、翻す
碧色の温もり
木枯らしに
悲しみ、落として
青さ薫る
段々畑、を
いっぽ。
また、
いっぽ。
この、足で
過去を踏みしめ
この、手は
いつか誰かを
撫でようと、やらかく
(ふよふよ。って、泥んこを丸める。みたい、に。)
夢に身を
埋めながら
永いながい、あいだ
私、を
形成して
いく、過程
風に櫛り雨に沐う
沢山の声を聞きました
野に、山に
震える音が木霊、する
新世界の入り口
から、駆け抜けていく
よう、な
わたしは私である
始まりは、ひとり
(ほろ。ほろ。まつげをきらめかせ。)
初めて、映る
光景に微笑む
ことが、できたなら
両方の腕を広げ
私は飛べる
飛んで、いくよ。
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