あもっく/ねなぎ
 
流されるように
従ってきた
働くとは
こういうものかと
思ってきたが
部品はいつか壊れるように
許容量にも
限界がある
出張先から
帰ってきての
報告で
笑いながら
居てもいなくても
変わらないと言われ
実行することに決める

何度も聞いてきた小言
神経を逆なでする
笑い声
役に立たないと言われ
走り回され
必死に電卓を叩いた
報告書を破かれる
夜独り
机の前に立つ
手になじんだ錆びたカッター
昼に食べたトーストに
付いてた物を採っておく
三ヶ月前のバナナと
猫の毛

下請けに部品を
発注して戻ってくると
顔色が
変わり始めていた
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