君は煙になった/きるきすみー
りを言わなくなっていくつ泣いただろう
僕もただいまを言わなくなったからおあいこだね
煙は綺麗な灰色でした、
その日は曇りでしたから、
見事に空に消えていって、
今度は雨が降りました。
きっとこれは君なんだろうな、と思ったので
大口を開けて上に居た君を見てやりました
けれども僕の口に君は入りませんでした。
君は拒んでいるのですか、
黒く大きなふちに囲まれた君は笑っている。
だから、笑顔しか思い出せなくなりました、
少ししかない笑顔もいずれは曖昧に崩れ果てていくのでしょう。
君は煙になった。
けれど今、何処に居るのかわからないですから、
僕はきっと君を思い出す価値すら無い。
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