君は煙になった/きるきすみー
 
泣いてばかりの君も
火をつけられて数時間後には
カスカスの白い骨になっていた。
僕たちは黒をまとっているのに、
彼女だけは彼女じゃないみたいに、
白い針金になっていた
これが君を操っていたのだ、と
知った時
そういえば君は華奢な体をしていたなあ
と思い出した
白い病院にいつも居た君は昔から白に共通点があったのかなあ
細い腕で抱き締めたいといわんばかりに君は
おかえりと言ってくれた。
小さく細く消えそうな、
そうだ、今見ている骨みたいな声でさ。
日が過ぎていくごとに
君の声は薄れていったけれどね。

バスの後ろを振り返ると
大きな建物から煙が出ていたんだっけ。
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