夜額/木立 悟
 
ぽつぽつと集いはばたき
雷鳴を浴びながら生きている


たどりつけない橋のつらなり
水の奥の奥にあり
どこまでも渦まく
ひとりの明かり


鏡の前の炭の森
はざまの水と火の拍手
光を持つものは
ただ過ぎるばかり


あやまちがあやまちに落ちてきて
水辺の草を水辺のかたちに燃すだろう
あなたが
あなたを描き終えたとき


短い夢 扉の音
岬を巡るはためきの白
いつ終わるともない唱のほうへ
芽と指とふるえを迎えにゆく


















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