或る宣告を受けて/前澤 薫
 

黙々とゲームをしている。
私は
ベンチに座り、足を組み、
タバコをくゆらしながら、
かれらのあざやかな頬を
盗み見ることを忘れなかった。

 現実は事実に向き合わない。
 私はこんなときでも
 自らの性に執着している。

部屋に戻れば、
軽やかな室内楽。
かすかなレモングラスの匂い。
ピーチの香りがするタバコ。
西日がきつくあたり、
パソコンの画面が白く浮かぶ。
文字が白んで、
何が書いてあるのかわからない。

仕方ない。
自らの股間をまさぐることにしよう。

ちりとなった紙片に
「不能者」と書かれた文字がゴミ箱から
みえるのだが。

そん
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