春、さくらひらり/壺内モモ子
春の強い風に吹かれて宙に浮いている
さくらの花びら
ひらりひらひら
あなたの大きな肩の上に落ちた
わたしだったら
わたしがさくらの花びらだったら
このまま風に乗って
そっとあなたの頬にキスするのに
キスしたい、されたい
キスしたらいけない、されたらいけない
ああ、迷っているうちに
ふうわり
大きな輪を描いて
遠くに飛んでいって見失ってしまった
この浮気者
この浮気者
この浮気者
わたしもおうちに帰りましょう
あなたもおうちに帰りましょう
目が合ったら
微笑み交わすだけの仲でいて
春
戻る 編 削 Point(2)