忘却の波/結城 森士
忘却の波が渦巻いて
私はやるべきことをやらず
ただいたずらに先延ばしをし
己の責任から逃げるように
布団の上で眠っていた…。
そのときは、思考を整理することで
忘却の波から逃れられることを知っていた
そして、布団で目を閉じながらも
頭の中は、いつになくスッキリとしていることに気がついていた
明快で、爽やかな白だった
いつものような曇りがかった、重くどんよりとした天気ではなく
まるで、快晴の空のように、細部までカラッと澄み渡っている
それにしても、白い。
あまりにも見事に澄みきっている。
まるで己の純白を主張している女の子のような
ある種の顕示欲のよ
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