陽の見える丘まで/邦秋
この街の灯(あかり)が消えぬうちに
夢に現わる丘を目指して歩き続ける
言葉はやがて生まれず
ずっと風をよける 陽のみえる丘まで歩き続ける
冷えた僕の体をあたためる人もなくて
醒めてた僕の瞳に気づく人もいなくて
坂道を上りたい、上れない
自分の姿さえ見失ってしまう
読めてた未来がいけないのか
これは夢か現か 運命の悪戯か
『いずれ見える陽だから』と笑みを浮かべてた
空に見える人の顔が懐かしく見える日がくる
姿なき道が 僕の肌を忘れない、と
語りかけてた夜(ゆめ)が終わり 今日も届かぬ丘
今 瞳にうつる姿をおぼえられない
そんな意識の中で ただ陽を追っ
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