シェリフ、嘘っぱちの銃を/ホロウ・シカエルボク
お前の独りよがりな情熱が俺の精神に水を差したので
俺はお前の存在を心から消し去ることに決めたんだ
くるぶしのあたりの身に覚えのない引っかき傷みたいに
いつの間にか消えて忘れるだろうとそう思っていた
午前零時は丁寧に仕上げられた紗幕みたいに
いろいろな物事を眠気の向こうへ隠してしまう
幾時間か前に飲んだ飲物の風味が喉元から消え去るころ
昨日よりひとつ呆けた細胞が新しいまぐわいを欲しがる
時計の針と同じ数の欲望を数えて手を打ってみろ
疼くほど欲しかったものの名前すら思い出すことは出来ない
まばらな車の流れが終わるとほぼ出来上がった沈黙がそ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)