玉蜀黍砂漠/
A道化
このようなときに
用水路の音に耳を澄ますのが見当違いなら
誰かに耳元でそう叫んで欲しかった
誰かに、何かに、耳へ、体へ
きちんと叫び諭されることを欲していた
夏の玉蜀黍畑が夏に朽ち
私は鼓動を探ってうずくまり
光、熱、緑、錆、此処、私、何ひとつとして感じ逃さぬよう
嗚呼、この耳へ、この体へ
確かな赤みと痛みのある切り傷を欲していた
2004.8.20.
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