降り来る言葉 XL/
木立 悟
にいる
夜の匙のつなぎめをひらき
半身ほどの左目から落ち
どこまでもどこまでも至ろうとする
触れるものを燃す衣のままに
いつか終わるものに囲まれた
やわらかなはじまり
いつかを知らぬまま
あなたは笑む
どこまでも降り
どこまでも消え
またふたたびに降りおりる
冬をすぎるもの
すぎる冬そのもの
つかんだ場所の反対にあり
けして何にもつかまらない
空へ空へ吹きながら
虹は虹を描いてゆく
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