降り来る言葉 XL/木立 悟
 
にいる


夜の匙のつなぎめをひらき
半身ほどの左目から落ち
どこまでもどこまでも至ろうとする
触れるものを燃す衣のままに


いつか終わるものに囲まれた
やわらかなはじまり
いつかを知らぬまま
あなたは笑む


どこまでも降り
どこまでも消え
またふたたびに降りおりる
冬をすぎるもの
すぎる冬そのもの


つかんだ場所の反対にあり
けして何にもつかまらない
空へ空へ吹きながら
虹は虹を描いてゆく






















[グループ]
戻る   Point(1)