非在のかたち/岡部淳太郎
――続・The Poetic Stigma
こんにちは。
こんにちは。
僕たちは呼びかける。呼びつづける。誰に向かってなのか、何に向かってなのか、僕たちにもわからないけれども、とりあえず僕たちは呼びかけつづける。その声は小さく、聞き取りづらいだろう。だから、その声はどこにも届かないかもしれない。それでも、僕たちは呼びかける。自らの声の頼りなさを身にしみるほどわかっていても、僕たちは当てもなく呼びかけつづける。
こんにちは。
こんにちは。
僕たちは整理する。自らの頭の中を、心の中を、整理して暖めて、目の前に取り出してみようとする。何故なら、僕たち自身にも
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