流れ星、まぼろし/アオイリョーキ
全部、忘れたいと思うよ
消えていく空
消えはてた緑
思い出すのは、ふたたび目の当たりにしたときだけで
空白、空虚、はいきょ、きみがみた、しがいのかたまり、とかそういった
無機質なあこがれ
流れ星がみたい、なんて、過去にさかのぼる努力もしないくせにさ、光を、捨てきれないくせにさ
枯れていく緑
老いゆく夕日
いつになったら空が、戻ってくるのか
地平の先で君をみたよ
まぼろしで、全部まぼろしで、
夢のないみらい、そういった現実だけ、群青のように濃く、血は、深紅ではないのに、誰も気がつかない
折れたあし、考えもつかない現実が流れ星をまぼろしに変えて、
消そうとしている
駆け出せない、なんて嘆くが、君は何をみている?
生きていた君が見たものは何で、死んだ君が今見ているものは何だ
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