研究「緑川びの」(3)/生田 稔
 
     この最終連は当たっていそうだ。難しい顔をして道の端を歩いている、これは私だなーと苦笑するほかはない。詩人はすぐは分からないが、詩を作っているという人を振り返って考えてみればまさにこの詩の通りである。


詩人の性格
緑川 ぴの

詩人は
小心者で繊細な癖して
意外とだらしない
ちらかった原稿用紙の上
飲みかけの缶ビール
吸殻だらけの灰皿
空の100円ライター
そして一冊の詩集
ボードレールの悪の華

詩人は
たまに悪の華を開いては
おのれの中途半端な
不幸に悪態をつき
溜息一つ吐いて
タバコに火をつける

詩人だから不幸なのか
不幸だから
[次のページ]
戻る   Point(1)