【遊泳】/琥霙ふうり
 
 
わかっている つもり
だったのです
 
永く浸り過ぎたお湯の中
 
  でも おそと は
  さむすぎて
 
(見渡しても、白い群れに、拐われるの。)
 
静まりかえる
水面にぴちゃ り
 
 ゆる ゆる
 たくさんの て
 
 すい すい と
 ひろがってゆく
 
(放射状にもがき、独りっきり。やがて、沈んでく私達。)
 
涙に汚濁した水滴
震えながら拭ってく
 
 そっ と
 こわれないよに
 
 
温もりを夢見て
お布団 の
ふかふかへ ふら り
 
 つめたくつつまれ
 からだ も いた い
 
 わたしの せ い?
 
白いシーツは
小刻みに波打ち
 
ひたひたの感情
不安定な脈をうつ
 
(綿の上で揺らぐ、揃わない鼓動。手足は、空気を扇ぐ。)
 
 
 くら
 く ら
 
 まぶしすぎる
 たいよう
 
 じかんのながれも
  つめたい ね

戻る   Point(2)