【遊泳】/琥霙ふうり
わかっている つもり
だったのです
永く浸り過ぎたお湯の中
でも おそと は
さむすぎて
(見渡しても、白い群れに、拐われるの。)
静まりかえる
水面にぴちゃ り
ゆる ゆる
たくさんの て
すい すい と
ひろがってゆく
(放射状にもがき、独りっきり。やがて、沈んでく私達。)
涙に汚濁した水滴
震えながら拭ってく
そっ と
こわれないよに
温もりを夢見て
お布団 の
ふかふかへ ふら り
つめたくつつまれ
からだ も いた い
わたしの せ い?
白いシーツは
小刻みに波打ち
ひたひたの感情
不安定な脈をうつ
(綿の上で揺らぐ、揃わない鼓動。手足は、空気を扇ぐ。)
くら
く ら
まぶしすぎる
たいよう
じかんのながれも
つめたい ね
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