そこには大きな幸福も災いも無いだろうから/虹村 凌
聞かせておくれ
何処かで待ってるって
妥協の理由を探して町中うろついて
他人のカン違いを頼りに煙草にありついて
それでも何処か待ってる君を捜す俺を信じたいのだ
笑うなよ
「笑ってないよ」
そんな風に
あぁそうだ
時々エレベーターのドアをこじ開けて
暗い穴の中に整列された薄明かりが漏れて
綺麗なんだろうなって想像したら
飛ぶ衝動が抑えきれないんだろうな
そんな事を考える事はあるかい?
あぁそうだ
ヴィックスヴェポラップを胸に塗り込んでくれないか
そうしたらその白い腕で抱きしめて眠ってくれないか
それなら安心して眠れそうな気がするんだ
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