【痛みの時間】/琥霙ふうり
 
 
真昼の夢
ゆっくりと
落ちていく
 
陽気な空
あざとく笑う
嫌味だけを込め
 
 あああああ
 
書き溜めた黒い文字
吐いてみたら
白紙に戻っていく
 
 け れ ど
 
頭の雑音は ただの
騒音へ生まれ変わる
 
 
窓から射し込む
日差しは加減なんて
知らない
 
肌が枯れていく
渇ききった瞳は なぜか
ちかちかと 潤む
 
視界は快晴
深みにはまった 曇り空
あの日差しさえ
 
 
ぼんやり 微睡む
非現実的な
空っぽの部屋
 
 
ゆっくり落ちていく
事すらできず
 
 
 あめはふりだして
 
 

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