夜明けのころ/wheale
夜明けの頃、
目覚まし時計は鳴り響く
いくつもいくつも
鳴っている
私が
寝ぼけ眼で
順番にボタンを
押しているころ、
君はまだ眠っているだろう
あのあどけない寝顔で
細っこい身体を丸めながら
私の目覚まし時計の音は
届かない
君の家は
まだお酒のにおいがしていて
朝のにおいと
ぶつかりあう
君はおもむろに身体を起こして
昨日あったことを思い出す
私はそのころ、
もう家を出てしまっているだろう
れいめい
れいめい
れいめいのころ
1日が動き出すとき、
きみと私が
すこし交わるとき
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