掃除機/アオゾラ誤爆
 
真昼になると
饒舌になる空の色
僕は嫌いだ
昔から夜のほうがすき
もっと細やかに
動いている光の粒子を
眺めたい
窓越しにでも

ほら
手足がしびれても
誰が呼んでもふりむかない
そういう認識で合ってる
憧れはいつまでも遠い
この胸の底
強い意志の他に
持ち合わせているものは
大気の波を知る弱さ
優柔不断は前世から
そう言わないとやってられない
寒そうな頬

君は他人に壊された心が
虫のようだと
小さく笑う


――君もその足で走ってゆけば遠くへゆけるのに!――


平らな視界
双方向へ伸びる銅線が
まるで線路みたいです
先生

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