リ/バース/望月 ゆき
 
いちばん遠い場所で
しゃがみこんでいる
すこしのびた爪の先を、噛みちぎる
小刻みに、咀嚼されながら 不安定な
わたしの中心へと向かう



太陽に沿って、朝がくると
解体されたきのうと、よく似た背格好の今日が
組み立てられていく 
規則正しい脈のふるえが伝わり、わたしの
皮膚が閉じられると
昨日よりすこしだけ、低体温の今日がはじまる










初出 『詩誌 詩悠』創刊号 



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