位置/カンチェルスキス
歪みきった顔が映ってる鏡のそばから
雨の音が聞こえる
誰にも気づかれないドアが
回転してる
最後の階段だけない
から
おれは右足を開封して左手で閉じた
年齢制限のない果物を傷つけた
地下鉄のホームで身投げする
嘘を
ついた
どんなときでも
銀行通帳の残高を気にした
壊れたピアノの脚を
手にするために
紫を買った
傾斜のついた音たちが
肩をこぼれ
腕にこぼれ落ちた
真珠の真ん中がほしい
泡のついた排水口がほしい
枯れた黄色のサンダルの一方が
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