梅林/
AB(なかほど)
側に
こんにちはの向こう側に
いくつもの笑い顔が
溶けていく
そう
僕らの歩いてきた時代も
水彩画のように
ぼやけてゆくのだろうね
左手に見えるコンビナートも
右手に見える海岸も
遠くに見える軍港も
きれいな絵になってしまう頃に
もう一度振り返ると
梅の花にも似合わぬ
二月の風が吹く
少しずつでいいよと
毎年吹く風が
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