見守る人/麻生ゆり
ひらり ひらり
それは春風が君をもてあそぶ音…
真っ白のワンピースが揺れて
まるで白鳥のようだ
ほころんだ笑顔が張りついて
君はとっても嬉しそう
いついつまでもこんな日が続くといいな…
さらり さらり
それは初夏の爽やかな空気…
汗が出るから夏は嫌いよって言ってた君も
日焼けして普段とはまた違った姿を見せてくれる
汗が目に入ってふと泣いて見える君が
ひどくいとおしい
この刹那の時を大事にしよう…
ふわり ふわり
それは紅葉が木から離れる瞬間…
頭に偶然落ち葉が触れると
その日一日幸せになれるというジンクスを信じていた君
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