見守る人/麻生ゆり
 
ひらり ひらり
それは春風が君をもてあそぶ音…
真っ白のワンピースが揺れて
まるで白鳥のようだ
ほころんだ笑顔が張りついて
君はとっても嬉しそう
いついつまでもこんな日が続くといいな…

さらり さらり
それは初夏の爽やかな空気…
汗が出るから夏は嫌いよって言ってた君も
日焼けして普段とはまた違った姿を見せてくれる
汗が目に入ってふと泣いて見える君が
ひどくいとおしい
この刹那の時を大事にしよう…

ふわり ふわり
それは紅葉が木から離れる瞬間…
頭に偶然落ち葉が触れると
その日一日幸せになれるというジンクスを信じていた君
[次のページ]
戻る   Point(2)