日々/前澤 薫
 
刻一刻、過ぎ行くとき、
諦めの吐息を吐く。

鮮やかな、滲むような
赤色のセーターを見つめる。

あの飴色の日々を
脳裏に蘇らす。

戻ることはできない。
もはや空白のページを繰ることしか
私にはできない。
戻る   Point(2)