草花短歌【春夏秋冬】/ゆりえ
◇朝風に揺れる桔梗や涼やかに夏の終わりを告げる庭先
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≪〜秋〜≫
◇秋高し川面に光さざめきて柳もそよぐ風立ちにけり
◇玉簾咲き初む庭に日差し揺れ午後のひとときゆるやかに過ぐ
◇秋の野や薄紅色のコスモスは色なき風にその身ゆだねて
◇菊の香の小庭に仄か漂いて吹く風やさし秋の夕暮れ
◇猫のいる庭に日差しもやわらかく秋明菊の花が咲き初む
◇怪しげに燃ゆる紅ひく曼珠沙華 誰を待つのか秋の夕暮れ
◇砥峰(とのみね)のすすきが原に秋陽さし揺れる白銀(しろがね)風とたわむる
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≪〜冬〜≫
◇山茶花の紅の花びら散り落ちて冬の日暮れの淋しき小路
◇雪降りて身を震わせる山茶花のピンクの花びら可憐なりけり
◇寒菊や毎年同じ場所に咲き冬の小庭に彩り添えて
◇冬薔薇の色褪せてなほ凛として咲き続けをり寒き小庭に
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