ゆかりの雫(三)/
信天翁
冬の星たちが完璧に支配する
時間のまえには
昼夜の交代儀礼があるらしい
裏庭で絶えず貧乏ゆすりしている
裸木のこずえ
広場で休みなくこだましている
黄色いこえ
市道で盛んにウインクしている
街明かり
まさに 宵闇の沈潜を深めるまでは
あてどもない「時」と
はてしない「空」とは
お互い此岸のざわめきを揶揄しあっているのだ
ゆかりの雫を垂らしあいながら
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