涙/きりえしふみ
 
『居なくなる』って自殺みたいだ
其処に並んだ体の良い言葉たちから
『。』を無理矢理剥ぎ取ったような 途端
奇怪さとむず痒さが僕の胸に横たわる
ふてぶてしく
『ほら僕 こんなに……こ〜んなに』痛んでいるんだ
 いるんだ としたってさ
言葉の裏側で身を捩らせているけれど 紙面上では
うやむやになるでしょう?
だって僕 平らげる人によっては ほら
どうとでもなって仕舞うから

 其処では どうやったって
血を注がなければ 体をなさない 存在すら出来ない
 一握りの言葉たち が存在していると云う
(嘗て存在していた のではなく)
ただ 見付けられるかは容易でないんだ
『偽
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